この番組では、かなり夢の技術のような扱いでしたが、大きな落とし穴があります。
1)この装置の消費電力が明言されていない
2)結局精製した油を燃やすならCO2は削減できていない
3)都合の悪い部分は隠すような姿勢に問題あり
1については、番組内はもちろんのこと、上にリンクを張ったメーカのWebページでも書かれていません。
なぜ、これが重要かというと、精製した油を燃料にするのなら、精製に投入するエネルギーと精製して得られた油から取り出せるエネルギーの収支が問題になるからです。
つまり、1kW時のエネルギーを投入して得られた油で発電機を回して1kW時未満のエネルギーしか得られないなら、やるだけ無駄だということになるわけです。
さらに、ここで多少収支がプラスになるとしても、発電などに使うならそのまま廃プラを燃やしてその熱で発電したほうが効率的であることはほぼ間違いありません。
2について、会社のwebページには87%ものCO2削減効果とありますが、精製した油を燃やすことを考えれば結局は削減などしていないことになります。
もちろん、その分原油起源の燃料を使わなくてすむのだから…という理屈は成り立ちますが、上で書いたように廃プラを直接燃やしたほうが効率は良いです。
3についてですが、1や2で挙げたような点は「意図的に」ごまかしているとしか思えません。
まるで夢の技術であるように、欠点はまるっきり書いていません。
こういったものは、欠点が皆無なんてことはまず有り得ないわけですし、実際上で指摘したようなことがあります。
こういう部分を隠して、利点ばかり強調するやり方は、利益のことしか考えていないという証拠です。
本当に環境のことを考えているのなら、欠点は欠点としてきちんと公言するべきでしょう。
その上で、どれくらい有効なのか、課題はどの辺にあるのかなど語るのが本来の姿です。
別に油化したものを燃やすだけではなく、違う形のプラスチック容器を作る原料として使うのでは?燃やしたらそれっきり、違う形の製品にすれば「貴重な資源」として半永久的に使えるのに。
上記の製品に関しては、燃料を作ることしか考えていないようです。
第一、原料としての再利用なら、油化するよりは溶かして化学処理する程度の方がはるかに効率的です。
リサイクルと言うのは、貴重な原料の場合は大きなエネルギーを投入しても収支が取れるものですが、プラスチックの場合になると、投入するエネルギーの大本も現状では石油がメインですので、そうなると無理に効率の悪いリサイクルを行うことで余計に石油が消費されるということになるのです。
石油に代わるエネルギー源が確保された状態で、石油が枯渇してきているような状態なら、大きなエネルギーを投入しても、リサイクル下方が良いとなりますが、現状ではそうなってはいません。
環境問題と言うのは、このようにかなり複雑なものですので、うわべの知識で踊らされるのは将来にとってもマイナスです。
だからこそ、「実は利益のことしか考えてない似非環境技術・商品」に関しては(この油化装置が必ずしもこれに当たるかどうかはまだ断定できませんが、かなり黒に近いと思います)きちんと批判しないとならないのです。
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