HeavyBommer@blog
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ダヴィンチコード
今更なのですが、ダヴィンチコードを読んだので書評を。

全体としての感想ですが、思っていたより謎解きは大したことないと感じました。

まあ、ソニエールの残した暗号を辿るという意味での謎解きはふんだんですが、歴史的な謎解きなんかはあんましありませんし、大した事もないですね。
「全て事実に基づく」とか言う前置きがなければ、これほど話題にもならなかったのではないでしょうか。

反面、二人の逃走劇としては結構良い感じだったと思います。
納得いかない部分(特に後半)もそこそこありますけどね…

以下、細かい点についてですが、いつものようにネタバレがありますので、嫌な方は続きは見ないでくださいね。
*歴史的な謎解き

大きなものとしては、4つほどでしょうか。
相互に関係するものも有りますが、以下にそれぞれ上げて考察したいと思います。

・タヴィンチの最後の晩餐
最後の晩餐に女性が描かれており、これすなわち「マグダラのマリア」である。
聖杯が明確に描かれておらず、人物配置でMをあらわしている(Mが成敗を表す)ってなところでしょうか。

女性に関しては、確かに女性にも見えますし、不自然なナイフを持つ手とかペテロとの関係から、これを「マグダラのマリア」だとする説には信憑性も感じます。
もっとも、ヨハネは聖書の記述でも女性的なイメージだそうで、女性的に描くのは定番らしいので、専門化には一笑に付されているようです。

Mについては、「Mにしか見えない」とかソフィーが言っていますが、これはもうこじつけに近いとしか思えませんね。

聖杯が描かれていないという点ですが、聖杯の定義をごっそり変えようというのに、テーブルに置かれたグラスは聖杯ではない(聖杯のイメージと違うから)などと言うのは論理の飛躍としか言いようがありません。
普通に解釈したら、ダヴィンチはそれまでの聖杯=一つの大きな杯というイメージを嫌っただけだと考えるべきでしょう。

そもそも、この小説ではシオン修道会が実在の秘密結社で、ダヴィンチはその総長を勤めていたという前提がある訳ですが、その前提自体が実際にはフィクションに近いですからね。
Wikipediaのシオン修道会の項にも有るとおり、この前提は捏造である可能性の方が高いですし、大体本当に聖杯の秘密を千年(あるいは2千年)も守ってきた秘密結社なら、歴代総長のリストなんてのが流出すること自体有り得ないでしょう。
それも、1900年代になって突然ですからね。
それくらいの組織だとしたら、聖杯の秘密自体がリークしているはずです。

と言うわけで、この解釈についてはかなり微妙です。

・聖杯の正体
結果的に、この作品内では「聖杯=キリストの血脈(子孫)」であることを規定事項であるかのように語っています。
まあ、一般的に知られる聖杯(伝説)は詩人により後世作られたものでしょうから、シオン修道会が言う聖杯はキリストの血脈のことなのだと言っても問題は無いでしょうね。

この辺はもう言葉遊びの世界になってしまいますね。
聖杯(HolyGrail/Sangreal)と言う名称が唯一無二のものを指すとも限りませんから、聖書でいう聖杯・アーサー王が探したという聖杯・テンプル騎士団が見つけたという聖杯等々、それぞれが別のものを指している可能性だって充分有り得ます。(アーサー王伝説はフィクションである可能性が高いですが)

・キリスト(イエス)の結婚説とその子孫
作品中では、キリストがマグダラのマリアと結婚して子供を設け、その子供がフランスに渡り、メロウィング王家となったとしています。
そして、メロヴィング王家の血脈は秘密裏に守られていて、それを守護するのがシオン修道会だということですね。

子孫の話(フランスに渡ってメロヴィング王家へ)はかなり眉唾です。
まあ、船を使って当時比較的ローマの支配が弱かったガリア地方(現在のフランス)に逃れたという可能性はありえないことも無いとは思いますが、メロヴィング朝始祖クロヴィス1世まで400年以上(500年近く)あります。
その間、細々と血脈を保ち、ゲルマン人によってローマが崩壊したのを期に…ってことも有り得なくはないですが、ちょっと弱いでしょうね。
普通に考えたら、ローマの脅威におびえながら支配圏内で細々と暮らすより、さらに移動してアイルランド等ローマの力が及ばないところまで行くと考えるのが普通でしょう。
もし、子孫がそれと解る形で本当に残っていたのだとしたら、少なくとももっと明確な証拠を残しているはずです。
そうでないと、直系なのかどうかなんて解るはずもありませんからね。

反面、キリストの結婚に関しては充分に有り得る話だと思います。
当時は聖職者の結婚が禁止されていたわけでもありませんしね。
ただ、作品中の説明だけでそれを事実と納得させるのは無理があると思いますけどね。

・聖杯の在り処
聖杯と言うかマグダラのマリアの棺や、聖杯文書の在り処ということになりますが、これはまあ明らかにフィクションだと捉えるべきなのでしょうね。

とはいえ、ルーブル美術館の地下なんていくらなんでも有り得ないでしょう。
建設時に(おそらく)大統領が協力したということなのでしょうが、公共施設である以上、シオン修道会の影響力が常に働くということは有り得ないでしょう。
君主制当時ならいざ知らず、現在は民主的な政治機構を持った国なのですから、シオン修道会が関与できない状態で掘り返されてしまう可能性は否定できません。

*ソニエールの暗号とシオン修道会

まず、どう考えてもソニエールの暗号ですが、これは「運が良くないとたどり着けない」レベルです。
その中でも銀行の貸金庫は飛びぬけていますね。
もし、ソフィーの推測が外れていたら、一発でアウトです。
まあ、平常時ならば銀行の支配人が何とかしてくれるのかもしれませんが、建前上それは出来ないことになっているわけですしね~

それからクリプテックスですが、ハイテクを駆使すればあんなものいくらでも壊せるでしょう。
非破壊検査機器と精密工具があれば蓋部分だけ切り取るなんてことも出来るでしょうし、ビネガーを凍結させるとか、細いドリルで慎重に穴を開けて吸い出すとかいった方法も可能です。

また、総長と三人の惨事が同時に襲撃されることを想定していないのもどうかと思います。
少なくとも、中世ならそういった自体は充分考えられるわけですから、もっと保険機構をかけるでしょう。

さらに、偽情報があっという間に偽だとばれる仕組みもどうかと思います。
偽情報を元にキーストーンを探しに来るものがいるということは、参事の誰かか総長が襲撃されたということに他ならないわけです。
であれば、そのことを他の参事や総長に知らせて本物のキーストーンを保護するための時間稼ぎのためにも、本物くらい凝った暗号を用いるべきでしょう。
そうすれば、襲撃者は偽者だと気づく前にたっぷり時間をかけることになるわけで、より安全性が高まります。

*逃走劇としての疑問点

・発信機
最初にラングドンが付けられる発信機ですが、さすがにGPSでは石造りの建物の中では追跡できないでしょう。
それに、トイレの中で歩き回る程度の精度での観測も微妙です。
まあ、これに関しては「GPS機能も付いている発信機」だとすれば一応納得は出来ますけどね。
ルーブル美術館内では警察が設置したマーカーで詳細な位置を察知でき、屋外に逃亡した場合はGPSで追跡できるというものなら納得ではあります。
もちろん、小さすぎるって問題はありますが。

・ソフィーの留守電
ラングドンがファーシュの携帯を使ったことはソフィーも解っているのですから、ラングドンが伝言を聞いた後速やかに消去すべきでしょう。
おまけに留守電自体も切っておけば、事がばれるまでもう少し時間が掛かったはずですね。
もちろん、ソフィーはスパイでもなんでもないので、そこまで頭が回らなくても不思議はありませんが、それまでの賢さからするとそれくらい気づきそうなものです。

・盗聴器
ハードディスク搭載はダメでしょう。
だって、ハードディスクじゃ音がしますから、ばれる可能性も充分あります。
普通に考えたら固体メモリでしょうね~

・ティーピング
導師がティーピングだったのは以外で良かったですね。
作者の思惑通り、ファーシュ警部が導師なのだと思っていました。
ただ、ティーピングが導師であるなら、あんなタイミングでクリプテックスを強奪するのは明らかにマイナスでしょう。
あのクリプテックスが最後の暗号である保障などどこにも無いわけですし(登場人物たちはなぜかあれが最後の暗号だと信じ込んでいましたが)最初のクリプテックスにあれだけ手こずったのに、次のものがそんなに簡単だと思い込めるのはおかしいです。
それに、結局開けられないということでラングドンらに協力させようと言うのなら、もっとうまいやり方があったでしょう。
レミーの隙を突いてクリプテックスを取り戻したことにして、再び合流した方が明らかに問題は少なかったはずです。
その上で、クリプテックスが開いて確実に聖杯の在り処が解ってから銃で脅して地図を奪うというようなことも出来たはずです。
もともと、ティーピングは金銭目的で聖杯を探しているわけではないのですから、自分がその正体を見ることができるなら、別にラングドンとソフィーの先を越す必要は無いわけですしね。

・シラスの最後
警察に追われて撃たれるような状況で、司教を抱えて病院まで行き、さらに自分だけ外に出るなんてのは都合が良すぎです。
明らかに、病院まで行く途中に警察に取り囲まれるでしょうし、万が一病院まで行けたとしても、銃創のある人物をつれてきた如何にも怪しい人物(さらに本人も怪我をしている)をそのまま外に出すとも思えません。
即警察に通報されるでしょうし、あの状況では近くに警察官が沢山集まっているのですから、通報があればすぐに警察が駆けつけるでしょう。

・ロスリン
ロスリンの暗号は結局意味無しですか?
ソニエールの詩とロスリンの暗号から、聖杯の隠し場所が解るようにしたほうが、最後の盛り上がりがあって良かったのではないでしょうか。

・聖杯の秘密
結局公開するつもりが無いのなら、シオン修道会は何故聖杯の秘密を守っているのでしょうか?
公開するつもりが無いなら、口伝のみにして証拠は破壊してしまっても良いと思いますけどね。
もしくは、シオン修道会を地下組織から全うな組織にして、聖杯保存教会でも作ってしまえば良いでしょう。
中世の頃と違って、今はバチカンが超法規的処置を実行できるわけでもないのですから、聖杯の正体は伏せた上でシオン修道会を表に出しても問題は無いはずです。
その上で、仏教で言う絶対秘仏みたいな感じに、聖杯関連の秘宝を保管すれば良いのではないでしょうか。
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テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学

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