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水素燃焼型エンジン
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0603/15/news026.html
 世界最大の高級車メーカー独BMWは3月14日、2年以内に最上位車種の「7シリーズ」で水素エンジン搭載車の連続生産を開始する意向を表明した。

他にもマツダがRX-8ベースのロータリーエンジンで水素燃焼型エンジン車を発表しています。

しかし、果たして水素を燃やすエンジンに意味はあるのでしょうか?
水素を燃やすタイプのエンジンの利点として考えられるのは
1排気ガスがクリーン(ほとんど水しか出ない)
2ガソリンエンジンとの共通化(実際BMWもマツダもガソリン燃料も積めるように作っています)
3そのためコストが安く(燃料電池と比較して)
4水素インフラが整っていなくても何とかなる
といったことでしょうか。

1がまず根本的な部分になるわけですが、ここからして疑問が生じます。
まず、水素を燃やす場面だけ見れば確かにクリーンですが、その水素をどうやって作るのかという問題があります。
これは燃料電池にも言える事ですが、現状水素を作ろうと思うと、水を電気分解するか、ガソリンやアルコールなどを分解して作るくらいしかありません。

後者は当然水素を作った後に酸素と炭素が残ります。
これをそのまま捨てれば廃棄物問題に、燃やせば結局二酸化炭素が出ます。

前者は電力をどうやって作るかが問題です。
将来的には分かりませんが、近い将来を考えると、太陽光や風力などのクリーンエネルギーでは電力需要すら満たせないのですから、原子力や火力などが使われるのは自明ですね。
そうなると、水素を作る段階で結局二酸化炭素やら放射性廃棄物やらが出てしまいます。

これだけ考えても、あまり有用には思えないわけですが、さらに2以降についてはアルコール燃料という大きな対抗馬が居ます。

アルコールはかなり昔から自動車用燃料として使われている実績もありますので(アメリカのインディーカーレースやブラジルの乗用車用)こちらのほうが現在のガソリン車との親和性ははるかに高いです。
水素の場合はエンジンが共通化できても当然タンクは別にする必要がありますが、アルコールなら同じでも大丈夫ですし、作りようによってはガソリンと混ぜたって問題ないです。
#むしろアルコール混合ガソリン限定なら普通のガソリン車でも使えます
水素を作ることを考えれば、アルコールを作るほうがよっぽど簡単ですし、アルコールは常温で液体ですから扱いも容易です。
さらに、うまくやれば食料廃棄物(サトウキビの搾りかすとかトウモロコシの茎とか)からの生成も不可能ではありません。※1

このように考えると、水素を燃やすエンジン(を搭載した車)というのは、まったく意味の無いものではないかと思えます。

燃料電池であれば、ハイブリッドカーと同じように減速時の回生電力を蓄えたりということが容易にできますので、エネルギー利用効率という点で意味が出てくる可能性もありますがね。※2

※1
現状ブラジルなどで行われているアルコール燃料の生産は糖分からです。
これは「普通に食用になる部分」を燃料に作り変えているに過ぎず、将来的に考えれば世界人口の飽和などによる食糧危機が危ぶまれるわけで、この方法での燃料生産には限界があるでしょう。
そこで、最近は「セルロース」を分解してアルコールを作る研究が実用段階にまでなってきています。
セルロースとは植物の「硬い」繊維部分を構成する物質です。
こういった部分は食用にはなりませんので、丸々「農業廃棄物」として処理されているのが現状です。
家庭の生ごみとかだと選別などが大変ですが、農業廃棄物であれば混じり物はかなり少なくできますので、そこから燃料を作り出せれば一石二鳥といえるでしょう。
もちろん、アルコール製造のために大きなエネルギーを必要とするのでは本末転倒ですが、最新の技術ではバクテリアなどを使って十分実用的なレベルでのセルロース>アルコール製造ができるようになってきているようです。
後の問題は生産力/供給量が化石燃料に置き換われるだけのものになるかというところでしょうね。

※2
燃料電池ですが、現状では白金などの気象元素が必須だったり、高温水蒸気が排気されるためにエネルギー効率はそれほど高くなかったりといった問題があります。
#コジェネ等であれば高温水蒸気をボイラーとして使うことができますが自動車ではそのまま排気されるだけでしょう
そのあたりから、「それならそのまま燃やしたほうが」という発想になるのでしょうが、燃やすなら水素である必要性は無いわけです。

また、車載燃料電池でも水素供給方法に関してはいろいろと議論が残っています。
水素直接だとインフラの問題もありますし、高圧の可燃性ガスをボンベに蓄えるわけで、事故が起きたときの爆発の危険性はどうしても高くなってしまいます。
そのために、燃料電池車でさえガソリンやアルコールから水素を作る改変装置を一緒に積むような研究がされているくらいです。
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テーマ:環境問題 - ジャンル:車・バイク

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